維新の遠藤敬氏の「総理補佐官」「国対委員長兼任」は不可能

維新の遠藤敬さんが、行政府の一員である総理補佐官と、立法府の舵取りをする国対委員長を兼務、と報じられている。遠藤さんは私もよく知っているが、バリバリの国対族で与野党の人脈も広い。
でも本当かしら。
遠藤さん、まさか兼務なんてしないですよね?
私は社民党時代に、二つ連立政権を経験している。
自社さ(閣外協力)、民社国(閣内協力)だ。
そして、総理補佐官も国対委員長も経験している。
だから、この二つのポストが兼務なんて!? と思うのだ。
総理補佐官は、総理の指令を直接受けて動く。
私の場合は、東日本大震災での震災ボランティア担当として、緊急のミッションを受け持った。
閣議には出ないし、国会答弁もないが、実質的に政権中枢に近いポジションだ。
私が民社国政権で国交副大臣を指名されたとき、実は少数野党の社民党ではあったが、国対委員長を務めていた。
行政府の一員になるからには、当然国対委員長は辞任。
なぜなら立法府と行政府は、しばしば判断が異なるから。
三権分立だからあたりまえともいえるが、ことは「立法府の矜持」に関わることだ。
立憲民主党を立ち上げ、私が今度は野党第一党の国対委員長として与党国対との交渉役を担ったとき、
安倍政権下でさまざまなスキャンダルが起きた。
働き方改革法案を巡る厚生労働省のデータねつ造、安倍総理夫妻のモリカケ問題。
そのたび私は自民党国対の部屋に出向き、「立法府として官邸の言いなりでいいのか」と迫った。
当時の森山国対委員長らは、野党の意見が筋が通っていれば、官邸との交渉を辞さなかった。
結果、過労死の温床となりかねない「定額働かせ法案」はストップできたし、
最初は「記憶」を失っていたモリカケのキーパーソン柳瀬元首相秘書官も「記憶」が戻り、参考人招致も実現した。
ときに政権に「再考を促す」のも与党国対の役割なのだ。
行政府と立法府が独立性を保ち、健全な緊張関係にあることは、与野党を問わない国会運営の大原則。
それが、政権の暴走に歯止めをかけるシステムだ。
今回の人事は高市さんが希望したと報じられている。
しかし高市さんは政調畑なので、そうした国対の役割をよくご存知ないのではないか。
与党国対は、「矜持」をもって国会運営に臨んでほしいと願う。
https://jiji.com/jc/article?k=2025101800461&g=pol
こんな本も出しています。
過去の記事も。
https://bunshun.jp/articles/-/8442
※以上
管理人は、最初から、サナエも麻生も維新(=竹中平蔵)も、議会制民主主義の国会運営をするつもりが「ない」と疑ってるんだ。